テクニカル分析とファンダメンタル分析
FXチャートを分析する手段として大きく2つに分類することができます。1つは「ファンダメンタルズ分析」もう1つは「テクニカル分析」です。「ファンダメンタルズ分析」とは、国際的な景気や経済状況、各国の経済指標などをもとに為替相場を分析する方法です。為替相場は国際情勢や景気によって大きく左右されます。その流れをいち早く読み取り、大きな利益を出しているトレーダーはたくさんいます。一方、為替の変動をグラフ化したチャートを用いて分析する方法を「テクニカル分析」といいます。
代表的なものとして「移動平均線」「ボリンジャーバンド」「一目均衡表」などがあります。
テクニカル分析の手法
移動平均線とは
移動平均線とはもっとも基本的なインジケーターで、ほとんどの人が使用しているツールではないでしょうか。
どのようなものかというと、一定期間の終値の平均を線にしたもので、移動平均線を見れば現在のトレンドやトレンドの勢いを判断することができます。
期間は任意で設定することができ、よく使われているのが10日(短期)、20日(中期)、100日(長期)、200日(長期)などです。
10日の場合、今日を含めた過去10日間の終値を合計し、日数の10で割って平均した数値を1日ごとに計算して線でつなぎます。
短期、中期、長期と3本の移動平均線を表示することにより、大きなトレンドや瞬発的なトレンドを見分けることができます。
また、トレンドの発生のタイミングを見極めるためにも使用することができます。

赤:短期 緑:中期 青:長期
ゴールデンクロスとデッドクロス
ゴールデンクロスとは、長期移動平均線を短期移動平均線が下から上に突き抜けることを言います。
そうなると長期的な値動きに対して短期的に勢いよく上がっている、短期的に上昇トレンドが発生していると考えることができます。
なのでそのタイミングで買いエントリーをすることができると判断するわけです。
デッドクロスはその逆で、長期移動平均線を短期移動平均線が下に突き抜けることをいい、短期的に下落トレンドが発生しているというわけです。
ボリンジャーバンドとは
ボリンジャーバンドは、相場の振れ幅を一定期間の価格データから測定し、統計学的な観点から価格の変動範囲を予測してチャート上に表示するテクニカル指標です。米国人投資家のジョン・ボリンジャーが開発したことでボリンジャーバンドと呼ばれています。
相場が変動していくなかで、データによって上限、下限のようなものが見えてくるのです。上限を+1σ(シグマ)、+2σ(シグマ)、+3σ(シグマ)、下限を-1σ(シグマ)、-2σ(シグマ)、-3σ(シグマ)としています。
ボリンジャーバンドの±1σの範囲内に収まる確率 ⇒ 約68.3%
ボリンジャーバンドの±2σの範囲内に収まる確率 ⇒ 約95.4%
ボリンジャーバンドの±3σの範囲内に収まる確率 ⇒ 約99.7%

図を見てもわかるように、チャートが±2σおよび±3σのラインで跳ね返していますよね。
真ん中の線は基準線となっていてその線を中心に上限下限を表示しています。
基準線も分析する上で重要な役割があり、傾きだしたらその方向にトレンドが発生、平行の時はトレントが発生していない(レンジ相場)と判断できます。
トレンドが発生し始めると、バンドウォークといって、バンドの中を同じ方向に進んでいきます。ここもエントリーをするポイントにできると思います。
ボリンジャーバンドの使い方
順張りの使い方
・ローソク足の終値が±2σを超えてきたら順張り(トレント発生のポイント)。
バンドウォークする可能性がたかい。
逆張りの使い方
・レンジ相場の時±2σで反発を狙う。
レンジ相場の場合±2で反対方向に変動していくことが多い。
一目均衡表
一目均衡表とは、一目山人(細田吾一)氏が作成した純国産のテクニカル分析です。一目均衡表は波動・時間・水準を総合的に取り入れたチャートであり、相場のバランスをビジュアルに表現したものです。時間分析を主体として波動分析に及ぶ非常に奥の深いテクニカル分析ですが、ここではチャート的な分析について説明します。

一目均衡表は5本の線によって構成されています。
- 基準線(緑線)=(26日間の最高値+26日間の最安値)÷2
- 転換線(赤色)=(9日間の最高値+9日間の最安値)÷2
- 先行スパン1(紫線)=(基準線+転換線)÷2を26日間先行させたもの
- 先行スパン2(ピンク線)=(52日間の最高値+52日間の最安値)÷2を26日間先行させたもの
- 遅行スパン(青線)=当日の終値を26日遅行させたもの
一目均衡表の使い方
基準線と転換線
一目均衡表の転換線と基準線は、それぞれ短期と長期の移動平均線的な役割をしています。転換線が基準線を上から下に抜けると売り、逆に下から上へ抜けると買いサインとなります。
先行スパンと雲
2本の先行スパンで囲まれた範囲を「雲」といい、相場は雲によって抵抗されます。雲の厚みがあるほど強い抵抗となり、相場よりも上に雲がある場合は上値抵抗のある下落相場、相場よりも下に雲がある場合を下値支持のある上昇相場と考えます。また、雲がねじれてクロスしたところを「先行スパンの変化日」と呼び相場の転換の目安になるといわれており、相場が変化日近辺を通過する場合には注意が必要となります。
遅行スパン
遅行スパンは当日終値を26日逆行させた線で重要な役割をはたします。その役割は相場の大きな転換を示すとされ、遅行スパンが26日前の相場を上抜いた時を上昇転換、下抜いた時を下降転換と考えられます。
三役好転
上記3つの条件が重なったときを「三役好転」といい、相場に強い反応があらわれます。
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