前回は移動平均線やボリンジャーバンドなど一般的なテクニカル分析を紹介しましたが、今回はちょっと難易度をあげて、「フィボナッチリトレースメント」と「エリオット波動」について紹介したいと思います。
フィボナッチリトレースメント
フィボナッチ比率とは
まず初めにフィボナッチ比率につて説明していきます。
みなさん黄金比ってご存じですか?
古代ギリシャ時代に発見された「1 : 1.618」の比率のことで、自然界で最も美しい比率すなわち黄金比と呼ばれています。黄金比を研究したレオナルド・フィボナッチ氏による「フィボナッチ数列」としても知られていることでしょう。
FXの世界でも「1:1.618」「0.618:0.382」という数値はフィボナッチ比率とされ取引の目安に使われているのです。
フィボナッチリトレースメントとは、相場の高値安値を線で結ぶと、このフィボナッチ比率に基づいてぶと起点ライン・61.8%ライン・50%ライン・38.2%ライン・終点ラインとチャート上に5本のラインを形成してくれます。
そのラインを基準に、今後相場がどのような変動をするかの判断材料にしていくのです。
フィボナッチリトレースメントの見方

強いトレンドが発生した場合はだいたい38.2ライン位まで戻す傾向があります。
逆にトレンドが弱いと戻しが強く、50ラインから61.8ラインまで行くことが多いです。
なので上昇トレンド中の判断基準としては、強いトレンドであれば、38.2ラインまで戻ったらもう一度上昇してくると判断しエントリーをする(押し目買い)、下降トレンド中であれば反対に、38.2ラインで戻り売りをすることができます。
また、50%ラインを超えて61.8ラインを意識した動きになるとトレンドが転換する傾向があり、逆張りのポイントとしても有効的です。
フィボナッチリトレースメントを活用する際、基本的にどの時間足を使ってもいいのですが、8時間足や日足で分析をしたほうがより効果的な判断材料となります。
エリオット波動
フィボナッチと相性がよく相場の波を的確に判断できるのもが「エリオット波動」です。
エリオット波動とは、相場のリズム「5つの上昇波」と「3つの下降波」で1つの周期が形成されているという考え方です。
その流れ自体を分析できればおのずとエントリーをするポイントや利益確定をするポイントが見えてくるのです。
相場のリズムは基本的に「N字」で作られています。このことをN波動と呼びN波動の連続で相場が形成されているのです。このことをよく理解すればエリオット波動も使いこなせるようになっていくと思います。
エリオット波動の使い方
5つの上昇波とは上昇トレンド時の、上げ始め「第1波」、戻り「第2波」、上げ再開「第3波」、戻り「第4波」、最後の上げ「第5波」のことです。

3つの下降波とは上げ切った後の戻りの波のことです。
各波に条件があり、
・「第2波」は「第1波」を下回らない
・「第3波」の値幅が最も大きい
・「第2波」と「第4波」は形が違う
・8つの波のなかに34の小さな波がある
とういことだそうです。
エリオット波動で最も重要となってくるのは「第5波」が最高値ということです。
最高値ということはトレンド終わりのサイン、トレンド転換点になるのです。
相場にエリオット波動が形成されているということは、トレンドが変わりますよの合図になっているのです。
エリオット波動とフィボナッチの関係性
ここで、エリオット波動とフィボナッチがなぜ相性がいいのかを説明していきます。
フィボナッチ比率は説明したように61.8%や38.2%のラインに注目されていきます。
そのラインを目安にN波動が形成されていくのです。現在トレンドが強いのか弱いのか、そのラインを基準にどちら側に伸びていくのかが推測できれば、今エリオット波動が形成されているのか、形成されているならば第何波なのかが分かってくるのです。
そこまで分析できれば、エントリーをするタイミングが非常に明確になってくるのです。
エリオット波動は「第5波」の発生のタイミングで成立するかどうかが分かります。
・「第2波」は「第1波」を下回らない
・「第3波」の値幅が最も大きい
・「第2波」と「第4波」は形が違う
この条件ですね。
この条件をもとにエリオット波動が形成されるかを判断し、形成されると判断したのなら、フィボナッチ比率に基づき「第5波」の上昇を狙ってエントリーを空いていけます。
また「第5波」での上昇はそのトレンドの最高値になるわけですから、「第6波」での利確や押し目なんかも友好的かと思います。
フィボナッチリトレースメントとエリオット波動のまとめ
ここではフィボナッチリトレースメントやエリオット波動について説明してきました。
どちらもテクニカル分析を行う上でとても効果的ではありますが、あくまでも分析をするツールの一つであります。
全ての相場がこの理論に基づているわけではありません。
もちろん「だまし」も多くありN波動の見方のずれも個人個人出てくると思います。
ただ、多くのトレーダーが分析し活用していることは事実であり、市場心理を動かしているものであるということです。
なので、今回説明した内容をより深く認識し、今後のトレーダーに役立ててください。
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